HSS型HSPの疲れはなぜ起きる?求める回路と削られる回路

旅行を計画している時が一番楽しくて、帰宅後は3日使い物にならない。「アクティブだよね」と言われるが、家でのポンコツぶりは誰も知らない。イベントの誘いに秒でYESと言い、前日に行きたくなくなる。好奇心が体力を追い越していく感覚が、ずっとある。

「刺激が欲しいのに、浴びると消耗する」という矛盾が、自分の中で長い間うまく説明できなかった人に向けて書きます。

この記事を書いているのは、無料の『心の体力(MP)診断』です。自分が何で疲れて、何で回復するのかを確かめられます。

キャラでわかる 心の体力(MP)診断の紹介画像。16種類のキャラクターから自分のタイプがわかる
無料の『キャラでわかる 心の体力(MP)診断』。結果は16種類のキャラクターで返ってきます。
診断はこちら

最初に: HSS型HSPという言葉について

HSS型HSPは、HSP(生まれつき感受性が高い気質を指す心理学の概念。医学的な診断名ではありません)の中でも、特に刺激を求める傾向が強い組み合わせを指す言葉です。これも医学的な診断名ではなく、気質の傾向を表す言葉として使われています。

HSPそのものについては、こちらで詳しく分解しています。

「刺激が欲しいのに疲れる」は矛盾ではない

「楽しんだのに疲れた」という感覚は、普通に考えると意味が分からない。楽しかったなら元気になるはずでは、と思う人もいます。でもHSS型HSPと呼ばれる人には、この両立が日常です。

これは矛盾ではありません。「刺激を求める回路」と「刺激で削られる回路」が別々に存在していて、両方が同時に動いているからです。2つの回路が共存している状態を、アクセルとブレーキを同時に踏んでいると表現する人もいます。正確には、アクセルを踏んで走りながら、同時に走った分だけ燃料が減っている状態です。

HSS型HSPに2つの回路が共存している(図解)
求める回路と削られる回路は矛盾ではなく共存。求める側を殺さず、守る設計が答えです。

求める回路: 新しいもの・面白いものに向かう力

一つ目の回路は、新しいもの・面白いもの・まだ知らないものへと向かう力です。

興味が湧いた瞬間に全力で動ける。会ったことのない人・行ったことのない場所・やったことのない体験への好奇心が強い。この回路が動いているとき、疲れのサインが届きにくくなります。楽しさが疲労を上書きするような感覚です。

頑張りすぎてしまう仕組みとも関係しています。こちらでも分解しています。

MP診断では、この回路の強さを『ニトロはむすたー』というキャラクターで表しています。面白いことに火がつくと疲れセンサーが麻痺して走り続け、突然電池が切れる。求める回路が強い人ほど、走り出したら止まれないタイプに出やすいです。

自分がこのハムスターに近いかどうかは、無料の診断で確かめられます。

削られる回路: 浴びた刺激の量だけ消耗する

二つ目の回路は、受け取った刺激の量に応じて消耗する感度です。

楽しい場所でも、音・光・人の気配・感情の流れをたくさん受け取っている。求める回路が「もっと」と言い続けても、削られる回路は確実に減り続けています。帰宅してから突然動けなくなる、翌日に消耗が出てくる、というパターンはこの2つの回路のズレから来ます。

人混みで疲れる仕組みについては、こちらでも詳しく分解しています。

求める回路と削られる回路、自分はそれぞれどれくらい強いのか。組み合わせは、無料の診断で確かめられます。

アクセルを殺さず、消耗だけ減らす設計

「刺激を控えれば疲れなくなるのでは」という考えがあります。でも求める回路を飢えさせると、別の不調が出ます。「やりたいことを全部我慢する」は答えではありません。

対処は3つです。求める回路は活かしたまま、消耗だけを設計で減らします。

刺激の予算制を作る

「大きい予定は月◯件まで」のように、上限を先に決めます。予算内で全開にしていい。上限を設けることで、求める回路を飢えさせずに、合計の消耗量をコントロールできます。

翌日の回復を予定とセットにする

大きな予定を入れた瞬間に、翌日も「回復日」として先にカレンダーに入れます。予定を楽しみながら、翌日の回復は保証されている状態にする。予定を入れてから「翌日どうするか」を考えるのではなく、入れた瞬間にセットで決めてしまいます。

削られ側の消耗を減らす道具を持つ

予定の最中に、削られる回路の消耗を物理的に減らす工夫を持っておく。ノイズキャンセリングイヤホン、少し静かな場所に移動する時間、感情の刺激が少ない移動ルートの選択など。好奇心のまま向かいながら、浴びる量を設計で減らします。

外から見えない疲れを、自分だけは認める

アクティブに見えても、家では消耗して倒れている。この落差を誰にも理解されないと感じている人は多いです。

外から見て「活発な人」だと思われているから、「なんで疲れているの?」と言われる。自分でも「なんで楽しんだのにこんなに消耗しているんだろう」と責める。求める回路が強い人ほど、消耗を自分に認めにくくなります。

外から見えなくても、削られる回路は動いています。自分だけは、消耗を事実として扱ってください。

HSS型HSPの人がよく抱く3つの疑問

仕組みを理解しても、こんな疑問が残る人は多いです。よく出てくる3つを先に答えておきます。

①「ただの飽き性と何が違うんですか?」

飽き性は「興味が続かなくなった」の話です。やりたくなくなったから動かない。

HSS型HSPと呼ばれる人に起きることは、その逆です。興味はまだそこにあります。やりたい気持ちも残っている。でも体力が先に尽きて動けなくなる。「まだやりたいのに動けない」という状態は、興味を失った飽きとは方向が逆です。

自分が飽き性なのか、それとも求める気持ちと体力がすれ違っているのかは、正直なところ自分ではなかなか判別しにくいです。どちらかを知るには、どれだけ消耗しているかと、どれだけ求めているかを別々に観察する必要があります。

②「周りに理解されません。どう説明すればいいですか?」

「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる」という仕組みをそのまま渡そうとしても、相手には伝わりにくいです。仕組みの理解より、相手が必要としているのは予測可能性です。「この人が次にどう動くか、だいたい読める」という安心感があれば、理解がなくてもうまくいくことは多い。

伝え方の型を一つ持っておくと役に立ちます。「盛り上がってる時ほど、次の日は動けなくなる。先に言っておくね」のように、自分の挙動のパターンを一つだけ先に共有する。相手に仕組みを説明しようとせず、次に何が起きるかだけを言葉にして渡す。これだけで、相手の反応がかなり変わります。

③「休むと退屈で、余計にソワソワします。どう休めばいいですか?」

刺激ゼロの休息が合わない人は、います。何もしない時間はそれ自体がストレスになるので、「しっかり休む」が機能しないことがあります。

そういう人に合う休み方は、刺激の量を落として質を変えることです。新しさは少しあるけれど、人との関わりと情報の摂取が少ない活動が、消耗せずに気分が変わりやすいです。

①ゆっくり歩く散歩(行き先は決めず、景色を見ながら歩くだけ)

②手を動かす料理や作業(レシピを見て作る、何かを組み立てる、整える)

どちらも「次にどうなるかを選びながら進める」という構造があります。全く刺激がないと落ち着かず、情報量が多すぎると消耗する人には、このくらいの負荷量が合いやすいです。

3つの疑問への答えは、どれも同じところに戻ります。自分が何をどれだけ求めていて、何でどれだけ消耗するのか。この2つを別々に知ること。それが分かると、休み方も、伝え方も、動くペースも、少しずつ設計できるようになります。

なお、消耗が長く続いて睡眠や日常生活に支障が出ている場合は、心療内科やカウンセリングなど専門機関に相談する選択肢もあります。

自分の2つの回路の強さを確かめるには

求める回路と削られる回路の強さは、自分では正確に把握しにくいものです。両方強い、求める側だけ強い、削られる側だけ強い、それぞれの組み合わせがあります。

無料のMP診断では、あなたの2つの回路の強さを、16種類のキャラクターで返してくれます。2つの回路の形が分かると、好奇心と体力の両立が設計できます。

2つの回路の形が分かると、好奇心と体力の両立が設計できます。無料で確かめられます。

無料でMP診断をやってみる →

まとめ

無料でMP診断をやってみる →