考えすぎて疲れるのはなぜ?過去向きと未来向きで対処が違う

布団に入った瞬間、今日の会話の再生が始まる。シャンプー中に3年前の失敗を思い出して、思わず声が出る。返信が来ないだけで、ありえないシナリオを10個作っている。頭が止まらないまま朝になって、体より頭が疲れた状態で一日が始まる。

「気にしすぎだよ」と言われる。でも「気にしすぎ」で気にならなくなるなら、とっくにそうしてる。止め方を誰も教えてくれない。

先に結論を言います。考えすぎには過去向きと未来向きの2種類があり、効く対処が違います。どちらも「考えないようにしよう」という意志で止めることはできません。頭の外に出す、体を使う、という物理で止める方法があります。

この記事を書いているのは、無料の『心の体力(MP)診断』です。自分が何で疲れて、何で回復するのかを確かめられます。

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「考えすぎ」と言われても、止め方は誰も教えてくれない

「考えすぎ」という言葉は、よく言われる割に何の情報も含んでいません。「そんなに考えるな」「気楽に行こう」は、泳げない人に「水の中で溺れるな」と言っているようなものです。

考えすぎる人の多くは、考えたくて考えているわけではありません。止まらないから困っている。「考えるのをやめれば?」という答えが使えないから検索しているのです。

考えすぎを分解すると、二つの向きがあります。終わったことを繰り返す「過去向き」と、まだ起きていないことを心配する「未来向き」です。この二つは見た目が似ていますが、仕組みが違います。

考えすぎには2つの向きがある(図解)
過去向き(終わったことの繰り返し再生)と未来向き(先回りの心配)。どちらも「考えないようにしよう」は効かない。

考えすぎ①: 終わったことを繰り返し再生する

一つ目は、終わったことを頭の中で繰り返し再生してしまうクセです。

今日言ってしまった一言を、帰り道から布団の中まで何度も再生する。「ああすればよかった」「あの顔どういう意味だったんだろう」という問いが、気づけばまた頭の中で動いている。これは反芻(頭の中で嫌な場面を何度も再生してしまうクセ)と呼ばれる状態で、特に夜に起きやすいです。

何もしていないのに疲れる場合も、この見えない思考が関係しています。こちらでも分解しています。

MP診断では、この消耗の仕方を『カチコチくらげ』というキャラクターで表しています。布団の中でひとり反省会を朝まで繰り返す。飲み込んだものが消化されずに、頭の中でループし続けている状態です。

自分がこのくらげに近いかどうかは、無料の診断で確かめられます。

考えすぎ②: 起きていないことを先回りで心配する

二つ目は、まだ起きていないことを先回りで心配するクセです。

「明日の会議でうまく話せるか」「もし失敗したらどうなるか」「相手はどう思うだろう」。最悪のシナリオが次々と頭に浮かんで、対策を考え、また別の最悪を考える。返信が来ない理由を10パターン考えている間に、相手はただ別の作業をしていただけだった、ということもよくある話です。この先回りの心配が予定に向かうと、予定が1件あるだけで休めない状態にもつながります。

MP診断では、この消耗の仕方を『びくびくチンアナゴ』というキャラクターで表しています。最悪のシナリオが頭の周りを飛び回り、穴から出るかどうかを延々と考えながら疲れていく。まだ何も起きていないのに、先に傷ついている状態です。

自分がこのチンアナゴなのか、それとも別のキャラなのかは、無料の診断で確かめられます。

「考えないようにする」が効かない理由

「考えないようにしよう」と思った瞬間に、何を思いましたか。考えないようにしよう、ということを考えました。これが答えです。

意志で頭の中の思考を直接止めることは、構造的にほぼできません。頭の中にある間は、操作しようとするたびに再起動がかかります。

では何が効くか。外に出すことと、体を使うことです。

頭の外に出す: 書き出しは思考の物理的な出口

頭の中で同じことが繰り返されるのは、「忘れないため」の自動的な再生です。外に書き出すと、脳はその内容を「保管済み」として扱い、再生の必要がなくなります。

「書き出しなんて気休めでは」という声もあります。ただこれは気分の話ではなく、仕組みの話です。頭の中に留まっているから繰り返す。外に置けば再生が止まる。

過去向きの人は、寝る前に「今日頭に残っていること」を書き出してから寝ることを習慣にします。内容の良し悪しは問いません。書いた時点で「頭の外に置いた」になる。書いたら閉じる。

未来向きの人は、心配を「起きる確率」と「起きた時の対処」に書き分けます。「最悪の場合は◯◯、その時は△△する」まで書ければ、それ以上考えても新しい情報は出てきません。書いたら閉じる、というルールを先に決めておく。

休み方と回復の設計については、こちらでも詳しく書いています。

体を使う: 思考は身体で止まる

もう一つは、体を使うことです。

思考は頭の中の活動ですが、体を動かすと、脳の使うリソースが身体制御に移ります。散歩、風呂、サウナ、運動。これらをやっている間は、思考が入り込む隙間が減ります。「気分転換」と呼ばれるものの正体の一つは、この脳のリソース移動です。

ポイントは、止まれない夜に「やろう」と決めるのではなく、週の固定枠として先に入れておくことです。「毎日夕方に20分歩く」のような枠が最初からあれば、その日の思考量と無関係に実行されます。

夜、布団の中で考えすぎて眠れない時は

電気を消した瞬間に、今日の反省会と明日の心配が始まる。日中は一度も思い出さなかった会話の一言が、暗くなった部屋の中で突然浮かんでくる。心当たりのある人は多いはずです。

なぜ夜に集中するのか。日中は作業・会話・移動が絶えず頭の中に入ってきて、それが思考を上書きしてくれます。布団の中には上書きするものがない。頭が暇になった分だけ、昼間は押さえられていた再生が始まります。構造として、夜の布団は考えすぎが起きやすい場所です。

だから「考えないようにしよう」だけでは止まらない。では何をするか。処方は二段階で固定します。

① 寝る前に「明日やること・今日から持ち越す気になること」を紙に書いてから布団に入る。ここでの目的は整理ではなく、頭の外に預けることです。書いた瞬間に「置いた」になる。内容の良し悪しを問わず、出し切って閉じる。これを寝る前の儀式として時間と動作に固定します(歯磨きの後に2分、と先に決めておく)。手帳でも付箋でも構わない、毎晩同じ場所に置くものを一つ決めるだけです。

② 布団に入ってから考えが始まったら、枕元の紙に一行だけ書いて目を閉じる。「◯◯は明日考える」と書くだけでよい。詳しく解決しようとしない。「持ち越した」という事実を作ることが目的です。翌朝、そのメモを見て考えれば、今夜は終わりにできます。

①が「寝る前の儀式」、②が「布団の中での緊急避難」です。どちらも判断を要しないよう、道具と置き場所を先に決めておくことが使える状態になる条件です。

なお、眠れない夜が長く続いて日常生活に支障が出ている場合は、一人で抱えず心療内科やカウンセリングなど専門機関に相談する選択肢も持ってください。

考えられる頭は、資産でもある

考えすぎる人は、よく考える力を持っています。問題は「止められない」ことです。止まる装置があれば、考え抜く力は本物の武器になります。

考えすぎをなくすのが目標ではなく、止めたい時に止められるようにすることが目標です。書き出しと身体の引き出しの二つで、止めたい時に止めてください。

自分の考えすぎの向きを確かめるには

過去向きと未来向き、どちらが強いかは人によって違います。そして自分では気づきにくいこともあります。

無料のMP診断では、あなたが何で疲れて、何で回復するのかを16種類のキャラクターで返してくれます。考えすぎの向きと強さが分かると、打てる手が変わります。

考えすぎの向きが分かると、打つ手が決まります。まずは自分の頭のクセを確かめるところから始めてみてください。

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まとめ

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