楽しかったのに疲れるのはなぜ?遊んだ後にどっと来る理由
久しぶりに友達と会った。旅行から帰ってきた。ずっと行きたかったイベントに行った。どれも楽しかったはずなのに、家に着くと荷物を置いたまま動けなくなり、翌日の午後まで使いものになりません。嫌なことがあったわけでもないのに、疲れている理由が自分でも分からない。それどころか、楽しかったのに疲れている自分のほうがおかしいような気がしてきます。
先に結論を言います。楽しさは無料ではありません。嫌なことで消耗するのは自分でも納得できますが、楽しいことでも同じようにエネルギーは使われます。しかも楽しい最中は、疲れを感じるセンサーのほうが止まっています。だから減っていることが見えず、終わってから一気に届きます。使われ方は3つに分かれていて、どれが主犯かで打つ手が変わります。
この記事を書いているのは、無料の『心の体力(MP)診断』です。心の体力、つまりゲームでいうMPが何で減って何で回復するのかを確かめられます。

楽しかった日に疲れるのは、よくあることです
まず、後ろめたく思う必要はありません。楽しい予定の後に動けなくなる人はたくさんいます。楽しさとエネルギーの消費は反対のものだと思われがちですが、実際には別々の話です。気分が上がることと、エネルギーが使われないことは、まったく関係がありません。
分かりやすいのは体のほうです。一日中歩き回った旅行から帰れば、楽しくても足は疲れています。これを心のほうに置き換えても同じことが起きています。ただ心のほうは、使った量が目に見えません。だから「楽しかった=無理をしていない=疲れるはずがない」という順番で考えてしまい、疲れている自分が説明できなくなります。
「体力がないから」では、対処が決まりません
よくある説明は、体力の問題として片づけることです。体力をつければ楽しい予定に耐えられるようになる、という話にされます。けれど、同じ体力でも減り方は人によって違います。大人数の場でだけ疲れる人もいれば、二人で会った日でも同じように疲れる人もいます。前者に必要なのは人数の設計で、後者に必要なのは予定の後ろの設計です。同じ処方を配れば、片方は空振りします。
そこで、楽しい日の消耗をもう一段だけ分けます。楽しかったのに疲れる時、使われているのは主に次の3つのどれかです。

消耗①: 盛り上がっている間は、減るのが見えない
まず、こんな質問から始めます。大きな成功や盛り上がりや閃きで一気にテンションが上がる時、あなたはあまり燃え上がらないほうでしょうか。それとも、我を忘れて没頭するほうでしょうか。もう一つ。興奮して全力で駆け抜けた数日後、だいたい元気なままでしょうか。それとも、反動でガクッと落ちるほうでしょうか。
これは、この記事を書いている診断で実際に使われている質問です。後半で「反動で落ちる」を選ぶ人に起きているのは、盛り上がっている間だけ、疲れの信号が届かなくなるという現象です。楽しい時間はエネルギーを使いながら、同時に「疲れた」という感覚のほうを抑えます。だからその場では無限に続けられる気がします。
止まるのは、場が終わった時です。信号を抑えていたものがなくなり、その日ずっと届いていなかった分がまとめて届きます。楽しい予定の後だけ落差が大きいのは、上がっていた分だけ落ちる幅が広いからです。翌日ではなく2日後に来る人もいます。
- 楽しい予定の最中は、疲れをまったく感じない
- 終わった瞬間、あるいは翌日に、急に何もできなくなる
- 「あんなに楽しかったのに」と、自分を責めたことがある
この診断は、結果を16種類のキャラクターで返します。その中に、この消耗の仕方を地で行く一体がいます。ニトロはむすたーです。「まだまだいける!」が口ぐせの、全力全開ハムスター。新しい企画や面白いことが始まった時、締切前の追い込みで火がついた時、興奮で疲れを感じるセンサーが麻痺して、走るのを止められなくなります。本人は絶好調のつもりのまま、ある日突然、電池が切れたように倒れて強制終了します。自分がこのハムスターなのか、別のキャラなのかは、無料の診断で確かめられます。

止まれない状態が仕事や努力の側で起きている場合は、頑張りすぎてしまう理由のほうで分解しています。
消耗②: 楽しい場でも、人の気持ちを受け取っている
次に、この質問に反応する人がいます。人の悩みを聞いたり、感情の強い場面に触れたりすると、あなたはあまり影響されないほうでしょうか。それとも、自分のことのように引き込まれて消耗するほうでしょうか。もう一つ。感動的な物語や人の強い感情に触れたあと、余韻はあるが消耗はしないほうでしょうか。それとも、良い話でもどっと疲れるほうでしょうか。
この質問の後半に、この記事の答えが半分入っています。受け取って消耗するかどうかは、中身が良いか悪いかで決まりません。強い感情に触れれば、それが喜びでも同じように処理されます。盛り上がった友達の話、久しぶりに会えた人の高いテンション、みんなの笑い声。全部が入ってきます。
だから、楽しい会ほど疲れることがあります。悪い会は早く帰れますが、良い会は最後までいたくなるからです。入ってきた量は、その場の空気が良かった分だけ多くなっています。
- 良い映画や感動する話でも、見終わると疲れている
- 盛り上がっている場にいるだけで、後から重くなる
- 二人で静かに話した日のほうが、大人数より疲れが軽い
同じことが飲み会という場面で起きる仕組みは、飲み会が疲れる理由のほうで扱っています。
消耗③: うれしかった分が、回復として残っていない
3つめは、この質問です。うれしいことや良い出来事があった時、あなたはさらっと流してしまうほうでしょうか。それとも、しっかり喜んで味わえるほうでしょうか。もう一つ。うまくいった時、じっくり喜びを噛みしめるほうでしょうか。それとも、すぐ次の課題に意識が向くほうでしょうか。
ここが、この記事で一番見落とされやすいところです。楽しい出来事は、本来なら回復にもなります。ただし、味わう時間を取らなかった場合、使った分だけが残って、増えるはずだった分が入りません。帰ってすぐスマホで別のものを見る、翌日の予定を確認する、写真も見ないまま寝る。この流れになると、その日の良かったことはどこにも記録されず、疲れだけが手元に残ります。
流してしまう人に、悪気はありません。良かったことを味わう時間は、たいてい予定に入っていないだけです。予定に入っていない行動は、疲れている日ほど実行されません。
- 楽しかった日のことを、翌日にはあまり思い出さない
- うれしいことがあっても、すぐ次にやることを考えている
- 「良かった」と口に出した記憶が、あまりない
同じ一日でも、消耗の主犯は人によって違います
3つとも当てはまる、と感じた人もいるはずです。それでも、強さの順番は人によって違います。
見分け方はシンプルです。落差の大きさで変わるなら①。盛り上がった日ほど翌日がひどいなら、センサーが止まることで減っています。人数と場の温度で変わるなら②。同じ時間でも、にぎやかな場のほうが疲れるなら、受け取って減っています。帰った後の過ごし方で変わるなら③。同じ予定でも、家でゆっくりできた日とすぐ次に移った日で違うなら、味わえていないほうです。
主犯が違えば打つ手も違います。①は翌日の設計、②は場の中での距離、③は帰り道の使い方です。順番を間違えると、一番大きな穴が空いたまま小さな穴をふさぐことになります。
無料でMP診断をやってみる →楽しい予定を減らさなくても、消耗は下げられます
行きたい場所に行くのをやめる必要はありません。変えられるのは、その周りの置き方です。
①落差で減っている人は、楽しい予定を入れた時点で、翌日を回復の日として予定表に書き込みます。空けておくのではなく、予定として埋めるのが要点です。空いている日は、後から別の約束で埋まります。何もしないでいる時間でエネルギーが回復するタイプの人ほど、この一手が効きます。
②受け取って減っている人は、その場を5分だけ離れる時間を、最初から決めておきます。外の空気を吸う、飲みものを買いに行く。入ってくるものを止めるのは無理なので、入ってこない時間のほうを作ります。
③味わえずに減っている人は、帰り道の10分を、良かったことを一つ思い出す時間に固定します。家に着いてからでは他のことが始まります。移動の時間はすでに空いているので、新しく時間を作る必要がありません。
なお、楽しい予定の後の落ち込みが毎回強く出て、眠れない、気分が上がらない状態が長く続いて生活に支障が出ている場合は、一人で抱えず、心療内科やカウンセリングなど専門機関に相談する選択肢も持ってください。
全開で走る力は、そのままでいい
この診断の世界には、その姿があります。ニトロはむすたーは、チャンピオンはむすたーになります。レーシングスーツに身を包み、余裕の笑顔でピットインするプロレーサーのハムスター。ここぞの爆発力は今もマシン級です。違いはプロになったことで、全開で走る日と休む日を、最初から自分で予定に組み込んであります。だから突然倒れることがありません。
大人しくなったわけではありません。足したのは、走る前に休む日を決めておく習慣だけです。楽しい日の消耗も同じで、楽しさを抑えるのではなく、後ろに置く時間を先に決めておくほうが早く効きます。
休み方そのものを見直したい場合は心の休め方を、休日が寝るだけで終わってしまう場合は休日に寝て終わる理由を見てみてください。
自分の消耗の主犯を確かめるには
この記事を書いているのは、無料の『キャラでわかる 心の体力(MP)診断』です。性格の五因子理論(ビッグファイブ)や、休息と回復の研究(Sonnentag)、体内リズムを扱う時間生物学など、20を超える心理学・生物学の研究に、60の測定項目を一本ずつ対応づけて設計しています。結果は占いではなく決まった計算式で出すので、同じ回答なら何度やっても同じ結果になります。ここで引用した「興奮して全力で駆け抜けた数日後どうなるか」も、実際に使われている質問です。答えていくと、3つのどれが自分の主犯かと、何をすれば回復するのかが、16種類のキャラクターで返ってきます。ニトロはむすたーもその中の1体で、消耗しなくなった進化後の姿まで見られます。

まとめ
- 楽しかった日に疲れるのは、気分が上がることとエネルギーを使うことが別々の話だから
- 消耗は主に3つ。①盛り上がっている間は、減るのが見えない ②楽しい場でも、人の気持ちを受け取っている ③うれしかった分が、回復として残っていない
- 主犯の見分け方は、翌日との落差で変わるなら①、場の人数と温度で変わるなら②、帰った後の過ごし方で変わるなら③
- 打つ手も主犯ごとに違う。翌日を回復の日として予定に書き込む・その場を5分離れる時間を決めておく・帰り道の10分で良かったことを一つ思い出す。まず一つだけ試してみてください