上辺の付き合いが疲れるのはなぜ?浅い関係ほど毎回作り直す理由
深い話は一つもしていません。天気と、最近の仕事の調子と、共通の知り合いの近況。それだけで解散したのに、帰り道には何も考えられないくらい疲れています。込み入った相談に乗ったわけでもないのに、と自分でも思います。「上辺の付き合い 疲れる」で調べると、割り切ればいい、本音で話せる相手を作ろう、という話が出てきます。それはそうなのですが、来週もまた同じメンバーで同じ会話をします。
先に結論を言います。浅い付き合いのほうが疲れるのは、浅いままだと決まっている関係では、工程が一度も省略されないからです。親しくなると、説明は短くなり、沈黙は気まずくなくなり、前回の続きから話が始められます。上辺の関係はそこに到達しないので、一年たっても三年たっても、毎回まったく同じところから同じ会話をします。この消耗は3つに分かれ、どれが強いかで打つ手が変わります。
この記事を書いているのは、無料の『心の体力(MP)診断』です。心の体力、つまりゲームでいうMPが何で減って何で回復するのかを確かめられます。

浅い付き合いのほうが疲れるのは、よくあることです
付き合いの深さと、疲れの量は比例しません。本音で話した日のほうが軽く帰れて、当たり障りのない会話をした日のほうが重い、ということが普通に起こります。
理由ははっきりしています。親しい関係には、積み上がったものがあります。前に話した内容を相手が覚えているので、説明を省けます。黙っていても空気が壊れないので、ずっと話し続けなくて済みます。少し踏み込んだ話をしても、関係が壊れないと分かっています。親しさというのは、省略していい範囲のことでもあります。
上辺の付き合いには、その積み上がりがありません。毎回、ゼロの状態から始まります。しかも外からは軽く見えるので、疲れている自分のほうが神経質なように思えてきます。
よく混ざるものがあります。笑顔を作ることそのものの消耗は、愛想笑いで疲れる理由で分解しています。あちらは表情という一点の話です。この記事で扱うのは、関係が浅いままで固定されていることから出てくるぶんです。
「気楽に割り切ろう」では、この疲れは減りません
割り切るという助言は、疲れの発生源を止めません。割り切っていても、来週また同じ会話をする事実は変わらないからです。むしろ割り切るほど、意味を感じない時間が増えます。
深い友人を作ろう、という助言も方向が違います。読者が困っているのは、職場の同僚や近所の人や親戚との付き合いです。相手を変えられないから浅いままで、浅いままだから毎回同じことをしています。友人を増やしても、この時間はそのまま残ります。親しい相手でも疲れる場合は別の経路が動いているので、友達といると疲れる理由のほうで分解しています。
そのうえ、中身が一つではありません。同じ「上辺の付き合いがしんどい」でも、毎回同じ会話をすること自体で減る人と、続けるかどうかを自分で決められないことで減る人と、何も積み上がらないことで減る人がいます。三人に「割り切りなよ」と言っても、誰にも効きません。
そこで、もう一段だけ分けます。上辺の付き合いの消耗は、主に次の3つのどれかです。

理由①: 毎回、同じ会話を最初からやる
まず、こんな質問から始めます。毎日が同じ手順・同じ繰り返しで進む状態は、安心して力が出るほうでしょうか。それとも、飽きて気力が落ちるほうでしょうか。
これは、この記事を書いている診断で実際に使われている質問です。後者を選んだ人は、繰り返しそのものが消耗を出すほうです。同じ作業でも、初回と五十回目では、かかる力が違います。初回は集中して取り組めて、五十回目は取りかかるまでが重い。
上辺の会話は、この五十回目がずっと続きます。話題は天気と仕事と共通の知り合い。相手の反応も、こちらの返しも、だいたい決まっています。それでも毎回、最初から組み立てます。相手が前の話を覚えていないので、省略が使えません。
そして、うまくやるほど固定されます。無難な会話が成立してしまうと、その形が正解として定着します。続けるほど、変える理由がなくなっていきます。
- 話す前から、今日の会話の中身がだいたい分かっている
- 同じ話を何度もしていることに、自分だけ気づいている
- 会話が終わった時、内容をすぐ忘れている
理由②: 続けるかを自分で決められない
次に、この質問に反応する人がいます。自分ではどうにもできない状況に置かれると、強くストレスを感じるほうでしょうか。もう一つ。物事が思い通りに進まない時、よりつらいのは、結果がうまくいかないことでしょうか。それとも、自分で握れない・手を出せないこと自体でしょうか。
ここで後者を選ぶ人の場合、中身の重さよりも、自分の手が届かないこと自体が効きます。上辺の付き合いは、まさにここに当たります。相手は職場で決まっています。頻度も、行事や席順で決まっています。やめるという選択肢は、事実上ありません。
しかも、やめた後の景色が先に見えます。挨拶をしなくなった時の空気、誘いを断り続けた後の扱い、次に顔を合わせる時の気まずさ。それが全部想像できるので、やめる判断に進めません。続けているのは、選んだからではなく、やめる側のコストが高いからです。
- 相手も頻度も、自分では選んでいない
- やめた後に起きることが、具体的に想像できる
- 「行かない」を選べた記憶が、ここ数年ない
この診断は、結果を16種類のキャラクターで返します。その中に、この止まり方をする一体がいます。せんびきオオカミです。口ぐせは「もう一段、いけるでしょ」「困ったら言って。ちゃんと見てるから」。仲間を引っ張って群れごと前に進めたいオオカミで、基準は高く、甘えには線を引きます。ただ、線を引いた後が長い。引いたあとの気まずさやぎくしゃくの後始末で頭がいっぱいになり、思っているより大きくMPを消耗します。線を引いた相手のその後を、遠くからずっと見守っているところがあります。自分がこのオオカミなのか、別のキャラなのかは、無料の診断で確かめられます。

理由③: 続けても手応えが残らない
三つめは、この質問に反応する人です。新しいことを学ぶ・上達する・何かを達成した時、エネルギーは特に湧かないほうでしょうか。それとも、回復して元気が出るほうでしょうか。もう一つ。休日に回復できるのは、何かに打ち込んで上達することでしょうか。それとも、完全に何もしないことでしょうか。
前者を選んだ人は、進んだ実感そのものが回復源になるタイプです。この人にとって、何も積み上がらない時間は、ただの空白ではありません。回復の手段を使わないまま、時間だけが過ぎていく時間です。
上辺の付き合いには、上達も達成もありません。三年続けても、相手との距離は初日と同じです。会話がうまくなったかどうかも測れません。同じ三時間を使っても、打ち込んだ三時間とは残るものが違います。ここが、周りに説明しにくいところでもあります。外から見れば「和やかに話していた」だけだからです。同じように外から軽く見える消耗の型は、聞き役ばかりで疲れる理由でも扱っています。
- 終わった後、何も残っていない感じがある
- 打ち込んだ日のほうが、長時間でも調子がいい
- 「今日も何もなかったな」と思いながら帰る日が多い
自分がどの理由で減っているかは、無料の診断で確かめられます。3つのうちどれが強いかが分かると、手を打つ場所が一つに絞れます。
無料でMP診断をやってみる →関係の深さに、出す量を合わせます
深い関係にする必要はありません。相手が変わらない以上、そこは動かせません。変えるのは、関係の深さに、こちらが出す量を合わせることです。今は、浅い関係に対して深い関係ぶんの力を出している状態です。
理由①が強い人は、会話の型を一つ決めて、毎回それを使います。組み立て直すから重いので、組み立てをやめます。挨拶と、天気と、最後の一言。同じ型で回すと決めた瞬間に、考える工程が消えます。
理由②が強い人は、参加するかどうかではなく、いる時間の長さだけを自分で決めます。全部に出て、先に帰る。行くか行かないかは動かせなくても、何時まで、は自分で決められます。そこに一つ握れるものがあるだけで、かかり方が変わります。
理由③が強い人は、その時間の外に、積み上がるものを一つ置きます。帰ってから十五分でも、進む実感のある何かに触れます。その日の中に、残るものが一つでもあると、空白の時間の重さが変わります。関係を切らずに距離だけ調整する方法は、人といると疲れる理由でも相手別に扱っています。
疲れが取れない状態や気分の落ち込みが長く続いて生活に支障が出ている場合は、心療内科やカウンセリングなどの専門機関に相談するという選択肢もあります。
自分の間合いは、言葉にして守れます
浅い付き合いがしんどい人は、たいてい、関係を雑に扱えない人です。適当に流せるなら疲れません。相手に合わせて毎回ちゃんとやるから、毎回ちゃんと減ります。
MP診断のキャラクターには、消耗の先にある進化後の姿があります。ひっこみガメの進化後は、げんぶガメです。ひっこみガメは、作業の途中に横から口出しされた時や、やり方まで指定された時に、甲羅に頭を引っ込めるように黙って止まります。周りには「急に止まった」ように見えますが、本人の中では必死に身を守っています。進化の条件は、干渉されたとき、黙って止まる代わりに「自分の進め方」を一度言葉にして返せるようになったとき。
自分の間合いを、閉じずに守れるようになった姿です。人に合わせる気がないわけではありません。違うのは、合わせる範囲を自分で決めて、それを外に見せていること。線が見えていると、無理に踏み込まれることも、無理に引きこもることもなくなります。付き合いを続けたまま、出す量だけ下げるというのも、これと同じやり方です。
無料の『キャラでわかる 心の体力(MP)診断』は、20を超える心理学・生物学の研究に、60の測定項目を一本ずつ対応づけて設計しています。この記事に出てきた同じ繰り返しへの耐性はビッグファイブの研究に、自分で握れているかどうかの感覚は心理的コントロールの研究に、上達で回復する力は熟達と回復の研究(Sonnentag)に、それぞれ対応づけています。結果は占いではなく決まった計算式なので、同じ回答なら何度やっても同じ結果が出ます。

まとめ
- 上辺の付き合いが疲れるのは、浅いままだと決まっていて、工程が一度も省略されないからです
- 理由は、毎回同じ会話を最初からやる・続けるかを自分で決められない・手応えが残らない、の3つに分かれます
- 深い関係にする必要はありません。関係の深さに、出す量のほうを合わせます
- 会話の型を一つ決めるか、いる時間だけ自分で決めるか、どちらか一つから始めてみてください
