オンライン会議が疲れるのはなぜ?同じ会議で平気な人との差は3つ
会議が終わってカメラを切った瞬間、力が抜けて、しばらく何も手につかない。時間は対面より短いはずなのに、終わったあとの消耗が明らかに大きい。しかも隣の席の人は、同じ会議のあとに普通の顔で作業に入っている。自分だけがぐったりしているのが分からなくて、集中力が足りないのだろうかと思ってしまう。「オンライン会議 疲れる」と検索すれば「Zoom疲れ」「画面越し しんどい」が並びます。同じ消耗を抱えている人が、それだけ多いということです。
先に結論を言います。オンライン会議で疲れることには、すでに研究による整理があります。ただ、その説明では同じ会議に出た人のあいだで消耗の差が何倍にもなる理由までは分かりません。この記事で分解するのは、その差のほうです。差は3つに分かれ、どれが強いかで打つ手が変わります。読みながら、自分がどれに当てはまるか確かめてみてください。
この記事を書いているのは、無料の『心の体力(MP)診断』です。何で疲れて、何で回復するのかを確かめられます。

「全員が疲れる理由」は、もう分かっています
オンライン会議の疲れについては、スタンフォード大学のベイレンソンが原因を4つに整理した論文を出しています。画面に映る相手の顔が対面より大きく近く、しかも見つめ合う時間が長くなること。身振りや視線といった言葉以外の手がかりを、送るのも受け取るのも対面より難しく、その分だけ頭を使うこと。自分の顔がずっと映り続けて、見た目を気にし続けてしまうこと。そして、カメラの画角から出られず、席を立てないまま座り続けること。この4つです。
この4つは実験で確かめられた結論というより、なぜ疲れるのかを理論として整理したものです。ただ、オンライン会議には対面と違う負荷がかかっているという見立て自体は、多くの人の実感と合っています。そしてここまでは、その会議に出た全員にかかります。
問題はその先です。全員に同じ負荷がかかっているのに、終わったあと動けなくなる人と、平気な顔で次の作業に入る人がいます。 この差を作っているものは、まだ説明されていません。
平気な人との差は、慣れでも性格の強さでもありません
「回数をこなせば慣れる」と言われます。ですが、何年も続けているのに毎回同じように消耗している人がいます。慣れで説明できるなら、そうはなりません。
差を作っているのは、同じ会議のあいだに何をしていたかです。人によって、拾っている情報の量も、作っている表情の量も、読もうとしているものの量も違います。会議は全員に同じ時間だけ行われますが、そこで働いている量は同じではありません。だから、まず自分がどこで働いていたのかを分けて見ます。

差①: 自分の顔が映る画面で、表情を作り続けている
まず、こんな質問から始めます。本音や素の自分を抑えて、求められる振る舞いをし続けると、あなたは苦にならないほうでしょうか。それとも、演じるほど消耗するほうでしょうか。もう一つ。機嫌が悪い日や気が乗らない日でも、場では普通にしていられるでしょうか。それとも、取り繕うのにどっと消耗するでしょうか。
この2つは、この記事を書いている診断で実際に使われている質問です。オンライン会議は、この演技が自分に見えてしまう場所です。対面では、自分がどんな顔をしているかは見えません。画面越しでは、自分の顔が視界の端にずっと映っています。うなずきが足りていないか、無表情に見えていないかを、自分で監視しながら会議に出ることになる。表情を作る人ほど、この監視の時間が長くなります。
次に心当たりがあれば、この差が効いています。
- 自分の顔が映っているのが気になって、途中で見てしまう
- 対面よりも大きくうなずいたり、意識して表情を作っている
- カメラをオフにした会議のほうが、終わったあと明らかに楽
この診断は、結果を16種類のキャラクターで返します。その中に、この作り込みを地で行く一体がいます。おセンチぺんぎんです。みんなを喜ばせる最高のものを届けたいロマンチストで、まわりが「これくらいでいいよね」とまとめるなか「まだ良くなるのに」を飲み込みます。心をこめて作ったものをろくに見てもらえなかった時、時間が足りず理想より低い出来で人前に出さざるを得なかった時。表では明るく振る舞いながら、内側では理想の完成図が割れています。その落差を誰にも言わないまま持ち帰るので、終わったあとに一人でしぼみます。自分がこのぺんぎんなのか、別のキャラなのかは、無料の診断で確かめられます。

表情を作り続ける消耗そのものは、画面の外でも起きています。仕組みは愛想笑いで疲れる理由で分解しているので、対面でも同じ消耗がある人はそちらもどうぞ。
差②: 画面と音声から、人より多く情報を拾っている
次に、この質問に反応する人がいます。うるさい場所や強い光、雑多で情報の多い環境に長くいると、あなたはどうなるでしょうか。もう一つ、静かな場所とにぎやかな場所で、長時間いて消耗するのはどちらでしょうか。
これも診断で使っている質問です。オンライン会議の画面は、実はにぎやかな場所です。全員の顔が同時に並び、誰かの背景が動き、チャット欄が流れ、自分の音声が遅れて返ってくる。対面なら視界に入らないものが、全部同時に目の前に置かれています。 拾う量が多い人は、会議の内容とは別に、この処理をずっと続けています。だから議題が軽い日でも消耗します。
- 参加者が多い会議ほど、内容と関係なく疲れる
- 相手の背景や音の乱れが気になって、内容が入ってこないことがある
- 会議のあと、静かな場所にいたくなる
差③: 反応が見えないぶん、沈黙の意味を推測している
3つめは、この質問です。予定や物事が「まだ決まっていない・どっちに転ぶか分からない」状態が続くと、あなたはどうなるでしょうか。もう一つ、先のことはその時になってから考えればいいと思えるほうでしょうか。
オンライン会議は、反応が返ってこない時間が長い場です。対面なら、話しているあいだに相手のうなずきや姿勢の変化が見えます。画面越しでは、小さくうなずかれても伝わらず、音声を切っている人の表情は動きません。すると、伝わったのか、退屈なのか、否定されているのかが分からない時間ができる。この空白を、推測で埋めようとする人がいます。埋めながら話し続けるので、話す負荷の上に読む負荷が乗ります。
- 話しているあいだ、聞き手の反応が気になって内容が飛ぶことがある
- 誰も発言しない沈黙の時間が、対面よりつらい
- 会議のあと、自分の発言が変ではなかったか思い返す
この差の主人公は、びくびくチンアナゴです。砂から少しだけ顔を出してまわりをうかがっていて、「あとで話そう」とだけ言われて中身を教えてもらえない時、先の見えない時間が続くと、最悪のシナリオが頭の周りを飛び回り始めます。まだ何も起きていないのに、想像の中で何度も傷ついてエネルギーを使い果たしてしまう。それでいて、仲間の危険にはいちばん早く気づく見張り役でもあります。自分がこのチンアナゴ寄りなのかは、診断で分かります。

ここまでの3つのうち自分がどれで消耗しているかは、無料の診断で確かめられます。
無料でMP診断をやってみる →カメラを切れない環境でも、打てる手はあります
3つ全部に手を打つ必要はありません。自分の差にだけ効かせます。会議中の判断力は落ちているので、始まる前に決めておきます。
①表情を作り続けてしまう人は、自分の映像を非表示にします。多くの会議ツールに、自分だけ自分の顔を隠す設定があります。相手からは今までどおり見えるので、断りも要りません。監視する対象が消えるだけで、会議の後半の消耗が変わります。
②情報を拾いすぎる人は、画面に置くものを減らします。全員の顔を並べる表示をやめて、話している人だけを大きく映す設定に変える。チャット欄は閉じて、あとでまとめて読む。イヤホンを使って、音の情報を耳だけに絞るのも効きます。
③沈黙を推測してしまう人は、推測しなくていい形を先に作ります。会議の冒頭で「反応が見えないので、賛成なら手のマークをください」と一言お願いしておく。自分が主催でないなら、話し終わりに「ここまでで質問ありますか」と挟むだけでも、空白の時間が短くなります。
なお、会議のあとの消耗に加えて、眠れない、気分の落ち込みが抜けないといった状態が長く続いて生活に支障が出ている場合は、一人で抱えず、心療内科やカウンセリングなど専門機関に相談する選択肢も持ってください。
会議のあとに休む時間を置くのは、甘えではありません
ここまで見てきた差は、どれも会議に真剣に参加していることの裏返しです。表情を返し、情報を拾い、相手の反応を読もうとする。全部、その場をよくするために働いた結果です。会議を軽く流している人は、そもそも消耗しません。
この診断の世界には、その力を持ったまま消耗しなくなった姿があります。おセンチぺんぎんは、オーロラぺんぎんになります。みんなを喜ばせたい気持ちはそのままです。違うのは、「そこまでしなくていいよ」の空気に笑顔で合わせて後悔する代わりに、「もう少しやらせて」と一度だけ言えるようになったこと。飲み込まずに口に出すので、あとで一人でしぼまずに済みます。
会議への向き合い方を変えたわけではありません。足したのは、自分の残量を先に見る習慣だけです。オンライン会議の疲れも同じで、参加の仕方を薄くするより、会議のあとに10分の余白を先に予定へ入れるほうが早く効きます。
人が多い場所そのもので消耗する人は、原因が画面越しであること自体ではないかもしれません。その場合は人混みで疲れる理由を、声だけのやりとりがつらい場合は電話が疲れる理由を見てみてください。
自分がどの差で消耗しているか、確かめるには
この記事を書いているのは、無料の『キャラでわかる 心の体力(MP)診断』です。この記事に出てきた性格の五因子理論(ビッグファイブ)やHSP(生まれつき感受性が高い気質を指す心理学の概念で、医学的な診断名ではありません)など、20を超える心理学・生物学の研究に、60の測定項目を一本ずつ対応づけて設計しています。結果は占いではなく決まった計算式で出すので、同じ回答なら何度やっても同じ結果になります。ここで引用した「本音や素の自分を抑えて」も「静かな場所と、にぎやかな場所」も、実際に使われている質問です。答えていくと、3つのどの差で消耗しているかと、何をすれば回復するのかが、16種類のキャラクターで返ってきます。おセンチぺんぎんもびくびくチンアナゴもその中の2体で、消耗しなくなった進化後の姿まで見られます。

まとめ
- オンライン会議で全員が疲れる理由は、すでに研究で整理されている。整理されていないのは、同じ会議での消耗の差のほう
- 差は主に3つ。①自分の顔が映る画面で表情を作り続けている ②画面と音声から人より多く情報を拾っている ③反応が見えないぶん沈黙の意味を推測している
- 差は慣れや性格の強さではなく、会議のあいだに働いている量の違いで生まれる
- カメラを切れなくても打てる。自分の映像を非表示にする、画面に置くものを減らす、反応の返し方を先に頼む。会議前に一つ決めておいてください